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ミステリの祭典

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底惚れ

作家 青山文平
出版日2021年11月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 ALFA
(2023/12/12 11:09登録)
短編「江戸染まぬ」をそのまま冒頭に置き、230ページを加えて長編化したユニークな作品。「江戸染まぬ」はじわりと滲みるサスペンス風味と捻りのあるエンディングが効いた秀作だった。
ここでは刺された男が・・・以下ネタバレします。



実は命拾いしていた。
半端者の自分を始末してくれた女の恩に報いようと知恵を絞るうちに、やがて身上がって女郎屋の楼主として成功する。デュマの冒険小説を読む思いがする。
人物の出し入れが実に巧み。
謎の鍵を握る信との再会。主人公に手を貸す銀次との出会い。それぞれの絡みによって、けっこう都合のいい展開が自然なものに見えてくる。
信の人物造形もいいし、銀次の因縁話もプロットに奥行きを与えている。

最後に謎解きがあるが、ミステリ風味は薄い。
万事めでたしとはならない、ふわりとしたエンディングがいい。

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