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ミステリの祭典

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牛の首
厳選恐怖小説集

作家 小松左京
出版日2022年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/11/28 22:47登録)
「あんな恐ろしい話はきいたことがない」と皆が口々に言いながらも、誰も肝心の内容を教えてくれない怪談「牛の首」。一体何がそんなに恐ろしいのかと躍起になって尋ね回った私は、話の出所である作家を突き止めるが――。話を聞くと必ず不幸が訪れると言われ、都市伝説としても未だ語り継がれる名作「牛の首」のほか、「白い部屋」「安置所の碁打ち」など、恐ろしくも味わい深い作品を厳選して収録した珠玉のホラー短編集。
Amazon内容紹介より。

SF小説の巨匠小松左京のホラー短編集。
一概にホラーと言っても、ジャンルは多岐に亘ります。怪談、不条理、SF、都市伝説、寓話、パニック等々。作者の抽斗の多さがこれだけでも分かります。まだまだ他にも書籍に纏められていないものもあるらしく、SF作家のイメージを払拭されます。『日本沈没』や『復活の日』すら読んでいないと言うか、そもそも初小松左京な訳で、私の感想など当てにはなりませんけどね。

収められている短編、ショートショート全て佳作の範疇に入るもので、どれが頭抜けて素晴らしいとも言えません。敢えて挙げれば、最初の『ツウ・ペア』が手が込んでいて、ミステリ的趣向もあり一番好みですかね。他に表題作はそう来たかと思いました。『空飛ぶ窓』は牧歌的で何とも言えない後味が良いですね。
全体的に衝撃の結末とはならず、どちらかと言うと洒落の効いたオチの付いた作品がほとんどで、怖さの点ではそれ程でもなかったのがやや拍子抜け、しかしそれが持ち味とも言えそうです。

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