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ミステリの祭典

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ニューヨーク1954

作家 デイヴィッド・C・テイラー
出版日2017年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 びーじぇー
(2023/11/27 22:07登録)
主人公はニューヨーク市警の刑事マイケル・キャシディ。三月のある日、ヘルズ・キッチンの安アパートで若い男の死体が発見された。男はブロードウェイのダンサー。死体には多数の裂傷があり、拷問されたことが窺えた。キャシディは、相棒のトニー・オーソーとともに捜査を開始した。だが深夜、現場のアパートへ立ち戻った時、室内を物色している何者かにナイフで襲われた。その後、刑事部屋にいたキャシディの元に現れたのは、二人のFBI捜査官だった。殺された男は国家の安全保障問題に関与しているといい、キャシディとオーソーは担当から外された。それでも密かに事件を追うキャシディに対し、新たな危機が迫る。
本作ではダンサー殺人事件の背景のみならず、主人公キャシディの父トムがもともとロシア出身だったことから家族の元にも赤狩りの魔の手が迫る。作中、実在した人物も多く登場し、事件と大きく絡みつつ展開していく。
題材や舞台だけではなく、物語もハリウッド映画を思わせる店舗の良さや緊張感ある展開を備えている。アクションとしても視覚的にもダイナミックな描写となっている。起伏あるストーリー、先の読めないサスペンス、そして迫真のクライマックスと娯楽小説として出来上がっている。

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