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ミステリの祭典

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町でいちばんの美女

作家 チャールズ・ブコウスキー
出版日1994年03月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 メルカトル
(2023/11/19 22:30登録)
酔っぱらうのが私の仕事だった。救いのない日々、私は悲しみの中に溺れながら性愛に耽っていた。倦怠や愚劣さから免れるために。私にとっての生とは、なにものも求めないことなのだ。卑猥で好色で下品な売女どもと酒を飲んで○○○○する、カリフォルニア1の狂人作家……それが私である。バーで、路地で、競馬場で絡まる淫靡な視線と刹那的な愛。伝説となったカルト作家の名短編集!
Amazon内容紹介より。

酒と女と競馬が大好きなアメリカの無頼派作家ブコウスキーの自伝的短編集。
半分以上が自身が主人公の自伝的短編であり、作風はほぼ同じでストーリー性の全くないのが特徴です。内容は先に挙げた、酒に溺れ女と行為に及び、たまに競馬場での馬券の買い方等を扱った作品ばかりです。遠慮会釈なく描くというより書く、書きたい事を兎に角書くのがこの人のスタイルと言えるでしょう。特に下ネタのストレートな表現多し。どこが面白いのかAmazonでは結構好評で、満点を付けているレビュアーの心境がよく理解できませんね。まあマンネリズムが好きな人もいますから・・・世の中分からないものです。

個人的に『15センチ』は凄いと思いました。これは昭和初期の変格探偵小説と呼ばれたものに属する短編で、ひと際目立っており、これだけでちょっと救われた気がしたものです。それと『卍』は奇想とオチがこの作品群の中で毛色が全く違ったものとして印象に残りました。あと『気力調整機』辺りが発想が面白かったですかね。それ位です。
こんなの読むのは余程の物好きだと思いますよ、本当に。

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