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ミステリの祭典

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解剖学者と殺人鬼

作家 アレイナ・アーカート
出版日2023年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 文生
(2023/11/15 06:38登録)
死体に次の犯行のヒントを残していく挑発的なシリアルキラーと解剖学者の女性が対決するサイコサスペンス。
作者は犯罪専門の解剖学医ということで検死描写は非常にリアルです。主人公サイドと犯人サイドを交互に描きながらテンポよく進んでいく物語も読みやすく、ストーリー半ばでひねりを効かせているのも好印象。しかし、いまどきの海外ミステリーにしては薄い本だなと思っているとあからさまに次巻に続くことを前提とした結末でがっかりでした。それから、さかんに頭の良さをアピールしている犯人が全然頭がよさそうにみえないのもマイナス点です。

以下ネタバレ












自分は頭が良いと思い込んでいる自惚れ屋な犯人という設定なら別にそれはそれでいいのだけど、有能そうに見えないのに最後は逃げ延びて主人公の宿敵っぽくなっているのがちょっと納得いかない。このあたりは作者がリアルさにこだわった弊害ではないだろうか。

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