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ミステリの祭典

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五階の窓
江戸川乱歩、平林初之輔、森下雨村、甲賀三郎、国枝史郎、小酒井不木

作家 リレー長編
出版日2022年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2023/10/31 22:29登録)
1990年代春陽文庫で反響を巻き起こし、復刊が望まれていたリレー式ミステリ・合作探偵小説がついに新版で復活! 昭和のミステリ黄金期を彩った豪華執筆陣・約80名による全64作品、全8巻。 1巻には江戸川乱歩が参加した初期4作品を収録。 「春陽文庫から出た計十冊の〈合作探偵小説シリーズ〉によって、江戸川乱歩が参加した「合作」「連作」の全貌に、容易に接することが出来るようになったのは、日本ミステリ界にとって大きな事件だったといっていい」
Amazon内容紹介より。

リレーミステリの正解って何だろうと考えると、そんなものはないのではないかと思ってしまいます。事前にある程度ストーリーやプロットを決めて、ルールを作って、協議の下スタートしたものであれば問題ないでしょうけれど。打ち合わせ無しに自分の書きたいものを書いてしまえば、後々収拾が付かなくなってしまう危険性が高いので、あまり例がないのでしょうね。

本作ではまず江戸川乱歩が、事故か事件か分からない墜落死を扱っていますが、イマイチ謎成分が不足している気がしてなりません。その分後続の作家の自由度が高くなるのは間違いではないと思いますが、結果それぞれの方向性が統一せず、纏まりに欠けてしまった感は否めません。
個人的には二話を書いた名前も知らなかった平林初之輔が最も本格らしいものと書いたと思います。その後は話を広げ過ぎたり、いきなり知らない人物が登場してきたりと、バラバラな印象を受けます。結局は細かい謎などはスルーして、事件の背景と動機、当然ながら犯人の正体を明らかにしただけで終わります。最後を受け持った小酒井不木はやり難かったでしょうが、意外とそうでもなかったと本人はエッセイで書いてますね。本当かなあ。

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