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ミステリの祭典

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最恐の幽霊屋敷

作家 大島清昭
出版日2023年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 人並由真
(2023/10/19 19:25登録)
(ネタバレなし)
 2018年。「私」こと中板橋にある「ナイトメア探偵社」の代表・獏田夢久(ばくた ゆめひさ)は、学友で不動産会社を営む尾形琳太郎から、彼が扱う物件に関連した相談を受ける。それは栃木県Sにある「最恐の幽霊屋敷」との異名を持つ一軒家で起きた、複数の怪死事件についての再調査だった。

 作者お得意のホラーミステリ。今回はかなりホラーの要素が濃厚だが、読み手の隙を突くようなタイミングでミステリの興味を打ち出してくるので、そこら辺はなかなかテクニカル。
 幽霊屋敷の大設定として、さる事情から8つもの別の悪霊が一か所に集結した場であり、それぞれの悪霊にからむエピソードも物語の中で入れ子構造的に語られながら、妖しい均衡と混沌の世界観が築かれる。
(ちょっと、現在、深夜アニメで放映中のホラー漫画『ダークギャザリング』を想起した。)

 読後にX(旧Twitter)で先に読んだ人の感想を窺うと、途中までは怖いが、(そのJホラーとしてのボリュームに)だんだん感度が麻痺してくる、という主旨の感慨を語っている方がおり、自分の感触も、これに近かった。
 いやでも、ところどころ、やっぱり、かなり怖いけれど。

 終盤のサプライズの波状攻撃は、こういう作品の形質とあいまって結構なインパクトがあった。

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