home

ミステリの祭典

login
最恐の幽霊屋敷

作家 大島清昭
出版日2023年07月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 SU
(2026/07/13 21:16登録)
様々な形態で襲い来る霊。かつて住人だった凄腕霊能者が何者かに殺された折、彼女が封じていた悪霊たちが解き放たれたのか。怪談本の体裁で描かれる前日譚としてのいくつもの除霊エピソードと、幽霊屋敷化してからの小説的な怪異ドラマが錯時的な入れ子となって融合する。
異形の幽霊屋敷が構築されていく様は、作品の構造そのものや、現実に心霊スポットが形成されていく在りようとパラレルになっている。ミステリ趣向も取り入れて、怪談研究者の作者ならではのテクニカルな怪談小説。

No.1 7点 人並由真
(2023/10/19 19:25登録)
(ネタバレなし)
 2018年。「私」こと中板橋にある「ナイトメア探偵社」の代表・獏田夢久(ばくた ゆめひさ)は、学友で不動産会社を営む尾形琳太郎から、彼が扱う物件に関連した相談を受ける。それは栃木県Sにある「最恐の幽霊屋敷」との異名を持つ一軒家で起きた、複数の怪死事件についての再調査だった。

 作者お得意のホラーミステリ。今回はかなりホラーの要素が濃厚だが、読み手の隙を突くようなタイミングでミステリの興味を打ち出してくるので、そこら辺はなかなかテクニカル。
 幽霊屋敷の大設定として、さる事情から8つもの別の悪霊が一か所に集結した場であり、それぞれの悪霊にからむエピソードも物語の中で入れ子構造的に語られながら、妖しい均衡と混沌の世界観が築かれる。
(ちょっと、現在、深夜アニメで放映中のホラー漫画『ダークギャザリング』を想起した。)

 読後にX(旧Twitter)で先に読んだ人の感想を窺うと、途中までは怖いが、(そのJホラーとしてのボリュームに)だんだん感度が麻痺してくる、という主旨の感慨を語っている方がおり、自分の感触も、これに近かった。
 いやでも、ところどころ、やっぱり、かなり怖いけれど。

 終盤のサプライズの波状攻撃は、こういう作品の形質とあいまって結構なインパクトがあった。

2レコード表示中です 書評