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ミステリの祭典

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蝶の墓標

作家 弥生小夜子
出版日2023年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 みりん
(2023/10/18 23:50登録)
苛烈ないじめを受けて夭逝した少年はなぜ最期に微笑んだのか?
自己保身に走る大人の汚さと善悪の境界が曖昧な少年少女の残酷さが生む悲劇。このやるせない気持ちが込み上げる復讐物語は漫画『adabana-徒花-』を思い出します。
蘇芳色の痣を持つ夏野とまだら模様の羽を持つ蝶。果たして羽化して良かったのか…

夫婦において小さな齟齬は骸骨に成長する。その骸骨にお互い気づかないフリをして地下深くに埋めていく結婚生活の危うさがシングルマザー視点から語られたり、女性作家ならではの描写が素敵です。
人間ドラマを求める方にオススメですよ。ミステリ的サプライズはやはりダイイングメッセージの意外性ですかね。
※ジャンルをどれに投票したら良いか分からなかったので、詳しい方いたらお願いします

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