home

ミステリの祭典

login
火の湖(うみ)に眠る
私立探偵ハリイ・ストウナー

作家 ジョナサン・ヴェイリン
出版日1988年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2023/10/18 20:43登録)
原題はただ “Fire Lake”。シンシナティの私立探偵ストウナーの旧友ロニーが言っていたという言葉で、「一か八かの冒険を冒すこと」と説明されています。12月深夜、ストウナーがモーテルからの電話で叩き起こされるところから話は始まります。ストウナーの名前と住所で泊まっている男が自殺を図ったと言うのです。なかなか魅力的なつかみですが、その裏事情はたいしたことはありませんでした。自殺未遂者はロニーで、彼が関係しているのは麻薬組織絡みの事件であることは、早い段階からわかります。ただロニーを麻薬組織に送り込んだのが誰なのかが問題になります。
冷静沈着で礼儀正しい麻薬ディーラーのボスだとか、警察内部でも厄介者扱いされている暴力刑事が登場したりして、ハードボイルドらしいプロットですが、60年台の「愛と平和」とロックへの向き合い方は、ちょっと感傷的に過ぎるように思えました。

1レコード表示中です 書評