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ミステリの祭典

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満鉄探偵 欧亜急行の殺人

作家 山本巧次
出版日2022年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ROM大臣
(2023/10/18 15:11登録)
舞台は日中戦争前夜、昭和十一年の満州。南満州鉄道株式会社の資料課に勤める詫間は、総裁・松岡洋右の密命を受けて、社内で相次ぐ機密書類の紛失事件を調査することに。
謎の美女にソ連のスパイ、さらには陸軍特務機関に憲兵隊の思惑が絡み合う中、真相を追う詫間は、大連からハルビンへと向かう欧亜急行に乗り込む。
題名通りに欧亜急行の中で殺人事件が起きる物語だが、殺人の謎解きよりも、国家や組織に関する利害関係が生み出す謀略の渦に重点を置いた作品である。これまでも鉄道を多く描いてきた作者だけに、豪華列車の旅の描写はいたって緻密だ。鉄道に限らず、時代の描写の物語の雰囲気も、予想を裏切ることのない作品である。

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