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ミステリの祭典

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計画書

作家 コウイチ
出版日2023年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2023/10/13 22:27登録)
舞台は平凡でどこにでもありそうな名もなき町。
しかしある時から、その町では起こりそうもないような物騒な事件が頻発するようになる。
一方、二人の警察官は「100万円の家」と呼ばれる廃墟で一冊の本を発見する。表紙に「計画書」とだけ書かれた本には、その町で実際に起きた事件と同じ内容が綴られていた。しかしそれらの物語は「結末」の部分が少しずつ違っていて……。
Amazon内容紹介より。

うーむ、こういうのをメタフィクションと言うのでしょうか。
小さな町の警察官は何を思ったか、橋の上から川に飛び込む。すると気付いた時には町の様相が変わっており、自分の家も廃墟と化していた。そこで「計画書」という私家版らしき本を発見すると云ったのが大筋で、その中に書かれた「小説」がちょっと風変わりだったのです。

その物語は外からしか開けられないサウナに閉じ込められたり、おばさん三人組の食い逃げの模様だったり、懐中電灯で猫に変身したり、爆破される橋の一人称だったりしますが、どれもあまりパッとしません。かなり期待外れでした。この幾つかの短編小説の合間に二人の警察官の会話が挿入されているのですが、ここでもう一歩踏み込んだ内容であれば、少しは読み物として楽しめたかもしれませんが。
オチも奇を衒ったものでもなく、拍子抜けのエンディングでした。

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