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ミステリの祭典

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沈黙法廷

作家 佐々木譲
出版日2016年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 ぷちレコード
(2023/10/10 22:34登録)
絞殺された老人について捜査を進める警察小説のパートと、起訴されつつも無罪を主張する家事代行の女性の裁判のパートに大別できる。
前者においては、捜査の進展が丁寧に描かれるだけでなく、警視庁と埼玉県警での手柄争いや、他の不審死との関連、マスコミとの駆け引きなどが物語に奥行きを与え、後半においては、被告人のかたくなに閉ざされた心の変化が、裁判員裁判という制度とあいまって複雑な味のスリルを生じさせている。サイドストーリーとして全編を貫く青年の視点も、結末において見事に効果を発揮している。

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