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ミステリの祭典

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黒猫は殺人を見ていた
おばあさん探偵レイチェル・マードック

作家 D・B・オルセン
出版日2003年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2014/09/03 14:01登録)
(ネタバレなしです) 複数のペンネームを使い分け、本格派推理小説からサスペンス小説、ハードボイルドまで書き分けた米国の女性作家D・B・オルセン(1907-1973)による1939年発表のレイチェル・マードックシリーズ第1作の本格派推理小説です。マードック姉妹シリーズと紹介された文献もありますが本書を読む限りではレイチェルは文句なく主役として活躍してますがジェニファーの方は完全な脇役でした。レイチェルは本書で既に70歳の老婦人ですが、推理だけでなく足を使っての捜査にも重点を置いており案外と活動的です。米国作家にありがちな能天気な雰囲気はなく、むしろ暗いサスペンスが印象的です。現代ではあまりお目にかかれない昔の道具がトリックに使われていて今の読者にはなじみにくいのと、最後の決め手が目撃者登場に頼っているところが推理好き読者には不満に映るかもしれません。なおハヤカワポケットブック版の巻末解説はネタバレ気味の個所があるので読了後に読むことを勧めます。

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