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ミステリの祭典

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むかしむかしあるところに、死体があってもめでたしめでたし。
昔話ミステリ

作家 青柳碧人
出版日2023年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2023/09/27 06:20登録)
(ネタバレなし)
 いつの間にか「日本のむかしばなしをミステリーで読み解いた『むか死』シリーズ」という公称がついていたシリーズの最新巻にして、いったん? 終了の最終巻。


 今回は短中編が五本収録。以下、メモ&寸評・短評。

「こぶとり奇譚」……こぶとり爺さんネタ。
 割とオーソドックスな特殊設定パズラーで(なんか形容矛盾な気もするが)アイデアは、よく? 見るものという気もするが、アレンジは面白いかも。

「陰陽師、耳なし芳一に出会う。」……耳なし芳一&陰陽師ネタ。
 これも特殊設定ゆえのロジックで、結末のサプライズはそれなりだが、一方でやっぱり既視感があったりする。うーん。

「女か、雀か、虎か」……舌切り雀&「女か虎か」ネタ
 やりたいことはわかるけれど、ひねりすぎて面白味を失った印象。悪い意味で思い付きを形にしてしまった感じがある。

「三年安楽椅子太郎」……傘地蔵ほか 
 まとまりの良い一本。探偵役の設定が急に(中略)だが、これは次のエピソードと姉妹編のため。

「金太郎城殺人事件」……金太郎ほか
 前の短編とリンクする中編で、本書中、いちばん長い。「そして誰もいなくなった」リスペクトのクローズドサークルものだが、真犯人の正体と動機がやや唐突。とはいえこれはこの分量の作品では、うまく伏線を張るのも難しいだろうな、とも思う。

 個人的には「むか死」シリーズの前冊よりは面白かったが、さすがにマンネリを感じたりもしてきた。作者や編集者もそうおもったから、打ち止めにするんだろうな。
 とはいえ、こーゆーの、またしばらくしたら読みたくなるような気もするけど。

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