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ミステリの祭典

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いぬの日
『今日はいぬの日』を改題

作家 倉狩聡
出版日2015年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/09/10 22:19登録)
わたしの名前はヒメ。家族はわたしを「犬」と言う。でも「犬」って何?飼い主一家に愛されず、孤独に日々を過ごすスピッツ犬のヒメ。流星群の夜、不思議な石を舐めて驚く程の知能と人の言葉を得た彼女は、一家の末っ子、雅史を支配下に置いて…。飼い犬たちの暴走、町に響く遠吠え、巨大な犬の影、そして続発する猟奇殺人。史上最高にキュートでおぞましい「犬のカリスマ」ヒメ登場。彼女が命を懸けて欲したものとは…。
『BOOK』データベースより。

主人公はメスの飼い犬のスピッツ、ヒメ。一人称ではありません(全体を描き切れない為と思われる)が、視点の多くは彼女です。しかし、性格が悪く可愛げのない犬なので、感情移入は出来ません。
人間の言葉を話すことを覚えたヒメが、最初は些細ないたずらから始まって、次第に犬や猫を簡単に捨てる人間達に復讐する為、下僕を引き連れてさらにエスカレートする様はホラーと言うよりパニック小説ですね。

『かにみそ』がやたら面白くある意味切ないホラーだったので、期待し過ぎた為かやや肩透かしを喰らいました。それでも5点は忍びないので6点としました。ただし、犬好きが読んで楽しめるかと言うと、首を傾げざるを得ません。しかし、飼い主と固い絆で結ばれたミコトの存在は大きいです。また猫好きの私としてはどうしても黒猫のスズちゃんに好感を抱いてしまいます。
そして解説で初めて知った、作者が実は女性だったという事実に最も衝撃を受けました。

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