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ミステリの祭典

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少女探偵の肖像
シシー・カルーソーシリーズ

作家 スーザン・カンデル
出版日2009年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2023/09/09 21:02登録)
(ネタバレなしです) 2005年発表のシシー・カルーソーシリーズ第2作のコージー派です。伝記作家のシシーが今回取り組んでいるのはキャロリン・キーンです。作中でも説明されていますがキャロリン・キーンは単独作家ではなく複数のゴーストライターによる共同ペンネームで、1930年に第1作が出版された少女探偵ナンシー・ドルーシリーズが現在でも書き続けられています。このゴーストライターの仕組みが世間に知られるようになったのはデビューしてから50年経過した1980年で、ゴーストライター間の揉め事が裁判沙汰にまで発展したからというのを私は本書で知りました。「E・S・ガードナーへの手紙」(2004年)同様にマニアックな知識が随所で披露されていて、ナンシー・ドルーシリーズに興味のない読者だとちょっと辛いかも。シシーが警察や容疑者たちを質問攻めにする一方で「何でそんなことを聞くんだ」と問われるとはぐらかすやり取りはどこかちぐはぐで微妙に読みにくいです。動機については何となく見当がつく謎解き展開ですが、犯人については推理での指摘でないのが個人的にちょっと残念です。

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