home

ミステリの祭典

login
私立医大殺人事件
推理実験室シリーズ 旧題「死のマークはX」

作家 幾瀬勝彬
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2023/09/03 03:10登録)
(ネタバレなしです) 1973年に「死のマークはX」というタイトルで発表され、1977年に「私立医大殺人事件」に改題された推理実験室シリーズ第2作の本格派推理小説です。シリーズ第1作の「声優密室殺人事件」(旧題「北まくら殺人事件」)(1971年)の人並由真さんのご講評で、雑誌で酷評されて作者が心外だと反論したら酷評の理由を挙げられて恥の上塗りになってしまったと紹介された作品は本書のことらしいです。被害者が残した「X」のようなダイイングメッセージを始め、様々な角度から謎を解こうと推理実験室の6人のメンバーが手分けして推理する展開ですが各自の活躍が均等に描き分けられていてそれなりに面白く読めますし、「声優密室殺人事件」での無意味な官能描写が本書では排除されているのも好ましく感じます。ダイイングメッセージの謎解きは可能性を羅列しただけで中途半端に放り出されたような感もありますし、犯人当てとしては十分な証拠もなしに唐突に解決しているように思いますが。

1レコード表示中です 書評