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ミステリの祭典

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QED 源氏の神霊
QEDシリーズ

作家 高田崇史
出版日2021年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 makomako
(2025/03/22 20:36登録)
この小説でのメインテーマは源頼政がなぜ超高齢なのに起ちあがったのかといったところなのでしょう。頼政は平家物語などでは源氏が立ちあがっても源氏にくみせず世渡りしていくのに、最後は無謀と思われる戦いをして一族を滅ぼしてしまうような感じに描かれており、一般にあまり評判がよろしくないように思いますが、この本を読みなかなかに素晴らしい人物であったと再認識しました。
もちろんQEDシリーズですから殺人事件が発生して、それに対してこの歴史推理が絡んでくるのですが、それがいかにもとってつけた感じは否めません。
QEDシリーズは作者の歴史観が桑原崇を通じて示されるところに興味を持つか否かによって好き嫌いが分かれると思います。
実際に起きた事件とこの特有な歴史観が結びつけることにどうしても相当に無理が生じてしまうことは否めません。
この作品ではそういった無理がちょっと目立つところが気になりますが、このシリーズが好きな方には悪くはないと思います。

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