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ミステリの祭典

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QED 〜flumen〜 ホームズの真実
QEDシリーズ

作家 高田崇史
出版日2013年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2023/08/26 20:47登録)
(ネタバレなしです) 「QED 伊勢の曙光」(2011年)でついにQEDシリーズ終了と思っていたら2013年にシリーズ第17作の本書が発表されたのに驚いた読者もいるかもしれません。私が読んだのは講談社ノベルス版ですが、作者による「前口上」、シリーズ長編16作と短編集1作を紹介する「QEDパーフェクトガイドブック」、作者と出版社担当による座談会が巻末に収められています。「前口上」の中で作者は「QED」は完結していて続編を書くつもりは全くなく、本書は外伝だとコメントしていてああこれで本当にシリーズ終焉なのかと、それほど思入れがあるわけでもない私でもちょっとしんみりしたのですが何と本書以降もシリーズ新作が次々に発表されていて、完結詐欺かよ!、と突っ込みたい気持ちもちょっとあります(笑)。講談社文庫版では「前口上」と座談会が削除されているそうですけどまさか証拠隠滅(笑)?それはともかく本書は「QED ベーカー街の問題」(2000年)の登場人物が再登場する本格派推理小説で、コナン・ドイルのシャーロック・ホームズ関連の情報も飛びかいますが桑原崇が崇らしさを発揮するのは(やはりというか)国内古典文学の蘊蓄を語って聞き手を辟易させる場面ですね。第8章で崇の推理説明を聞いた棚橋奈々が某古典的ミステリー作品を連想していますけど、それってアイデアのぱくりなのかパロディーなのか悩みますね。まあその古典的ミステリーも完全な創作ではなく、実際にあった事件を下敷きにしている作品らしいのでどうでもいいのですけど。

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