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ミステリの祭典

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前夜

作家 森晶麿
出版日2021年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 糸色女少
(2023/08/18 21:32登録)
物語は、稔流が変死体となって発見されるエピソードからスタートする。現場の山荘は密室状態で、死体には猫に嚙まれたような歯型があった。不老不死の姪鬼は、猫に噛まれると死ぬとされているのだが。
子の密室殺人の謎を序章として、本編は時を遡り真斗の視点で比留間兄弟の生い立ちが語られてゆく。兄弟の血統の真実とは、稔流は真斗が信じているように蘇るのか、稔流のあとを継いだ真斗が主演することになった映画は完成するのか。二つの大震災を経てポスト・トゥルースの現在に至る時流を背景に、さまざまな謎が絡み合う異形の青春譚は思いがけない結末を迎える。伏線が十分でないため、やや唐突感はあるが。

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