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ミステリの祭典

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作家 桐野夏生
出版日2009年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ぷちレコード
(2023/08/10 23:25登録)
女性小説家のヒロインと編集者のダブル不倫を鋭い筆致で正面から描き出す。情熱、独占欲、嫉妬、憤り、打算、憎悪、執着。どんな恋愛にも付きものの感情の諸相を作者は生々しく定着する。
だが、ヒロインが目下書きつつある小説の中ですでに亡くなった作家の私小説「無垢人」の真実を追求するという二つの筋立てが絡み始めると、何処へ着地するか分からない魔術的なメタ小説の領分に入り込む。しかしここでも主題は恋愛であり、なぜ人間はこんなにも恋愛に取りつかれ、恋愛を小説に書こうとするのかという問いが浮上する。人間にとって最大の謎である恋愛をめぐるミステリ。

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