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ミステリの祭典

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老人のための残酷童話

作家 倉橋由美子
出版日2003年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/08/02 22:33登録)
鬼に変貌していく老婆を捨てた息子と、その嫁の意外な末路とは…。「姥捨山」や、織女と牽牛の「天の川」といった、有名な昔話をベースにしながらも、独特の解釈で綴られた10の物語。大ベストセラー『大人のための残酷童話』の著者が、性欲や物欲、羞恥心といった、人間の奥底にひそむ感情を見事に描きだす。
『BOOK』データベースより。

なかなかの奇想を発揮し、ブラックユーモアを含んだ寓意小説と云った趣が強い短編集。老人や老いをテーマにした作品ばかりで、それぞれが違った味を出していると思います。ただ、捻りやオチが全体的に弱いのが残念。最も印象に残るのは最後の『地獄めぐり』ですかね。しかし、時間と共に次第に色褪せ、記憶が薄れていくのは仕方ないのかなという気がします。

ややエロ要素強め、グロはほぼ無きに等しいので、誰が読んで問題ないと思います。リーダビリティに優れており、表現力が豊かで読んでいて飽きが来ません。それは良いのですが、タイトルにあるような残酷さはあまり感じません。私はその辺りに物足りなさを覚えました。ホラーではなくファンタジーだと思います。

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