home

ミステリの祭典

login
スコーピオン

作家 諸口正巳
出版日2005年12月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2023/07/25 22:32登録)
高校3年生の相馬圭一はスケボーとスノボー、そして格闘ゲームが趣味のどこにでもいるような少年。そんな圭一が大学入試の帰り道、受験生ばかりを狙う殺人鬼が出没するといういわく付きの地下道で遭遇したのは―まさにその『伝説』の殺人鬼だった。間一髪のところを、突然現れた黒いコートを着た謎の男に救われるが、そのことをきっかけに平凡で退屈な日々を送っていた圭一の運命は大きく変わっていく。「口裂け女」や「人面犬」のような都市伝説が、人間の恐怖や怯えといった負のエネルギーを糧に実体化したなら…!?危険な存在となった『伝説』を密かに抹殺する黒衣の男たちがいた。その名は―スコーピオン。
『BOOK』データベースより。

様々な都市伝説は噂が噂を呼んで密かに広まり、実物の怪異に変化し、それらを消滅させる為に雇われた男達が闇の死刑執行人、スコーピオンであるという設定は面白い。しかしそもそも誰が主人公かもはっきりしないし、誰目線という訳でもなく(敢えて言えばソーマだが)、一話一話が短すぎてバトルが今一つ盛り上がらなかったり、人物造形が出来ていない、ケモノとは一体何者なのか分からない等、結構な瑕疵が見られます。

中には『チェーン』のような佳作もある訳で、何か凄く勿体ない気がしました。結局どこを取っても平板で奥行きがないのが致命的であると判断しました。しかし、だからと言って発想の良さまで切り捨てるのはやや酷だなと思い、5点にしました。何も考えずにサラッと読めるので暇潰しには良いかも知れません。

1レコード表示中です 書評