home

ミステリの祭典

login
超・博物誌

作家 山田正紀
出版日1985年01月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2023/07/20 12:43登録)
 山田正紀には珍しい宇宙SF。ハードSFと言う程ではないが、もっともらしい科学的解説を含みつつ、牧歌的とも言える筆致で架空の生態系を生き生きと描き出す、文系と理系の美しき融合(笑)。中でも焼死必至の皮肉なジャンプを繰り返す “RUN” があまりにも哀しく可笑しい。

 曲解&拡大解釈をすると、本作は最初期の〈神シリーズ〉の到達目標地点に反対方向からアプローチしたもの、のように思える。
 説明出来ないものを説明する為には、世界の領域を広げればいいじゃないか。但し正規の手続きを取るのは大変なので、ほわほわ~としたファジィなもので境界線を曖昧にしよう、と言うわけだ。勿論その核にあるヴィジョンがクオリティを伴っているからこそ可能な業である。

1レコード表示中です 書評