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ミステリの祭典

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ただしい人類滅亡計画
反出生主義をめぐる物語

作家 品田遊
出版日2021年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/07/13 22:36登録)
全能の魔王が現れ、10人の人間に「人類を滅ぼすか否か」の議論を強要する。結論が“理"を伴う場合、それが実現されるという。人類存続が前提になると思いきや、1人が「人類は滅亡すべきだ」と主張しはじめ……!?
Amazon内容紹介より。

集められた10人の人間には名前はなく、ブラック、レッドなど色で呼ばれており、その中の二人(イエロー、ホワイト)だけが女性らしい。というのは、終始議論で埋め尽くされていて、性別などには全く触れられていない為、口調で判断するしかありませんので。
人類は存続すべきとする者が大勢を占める中、ブラックが絶滅論を繰り広げ、次第にどちらに傾くかが混沌とし始めます。特に悲観論者のブルーは自分を卑下しており滅亡の道に向かい、更にゴールドは自分以外の人間が幸福になる事を良しとしない利己主義者なので、こちらも自分の死後なら存続を断っても良いと考えるようになります。

自分のいない世界、自分の死後、生まれる以前、他種族との共存、生まれ来る者の幸福と災厄などを真面目に語っており、色々考えさせられます。ただ、何と言うか、堂々巡りの様な感覚にも陥ります。似たようなテーマが延々と議論されるため、どうしても変化に乏しく、あまり白熱した論戦となっている様には思えません。もっと地域猫活動や宗教論を例に挙げている様に話題を広げて行って方が、読者にとっては更に楽しめたのではないかという気がしました。そして、もう少し捻りがあるともっと良かったと思いますね。

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