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ミステリの祭典

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クルイタイ

作家 二宮敦人
出版日2012年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/06/28 22:38登録)
美しいからこそ壊してしまいたくなる衝動、自分の記憶が信用できなくなる恐怖、見方ひとつで、すべてが死骸に見える錯覚、そして呪詛の思いが自らを追い込んでいく戦慄――。4人の狂気に触れたとき、<男>に待ち受ける壮絶な運命とは!? 『!』シリーズなどのヒット作を連発し、ホラー小説界で今最も注目を集める著者が、温め続けた恐怖を炸裂させた新世代サイコホラーの傑作!
Amazon内容紹介より。

惜しい、もう少しで7点だったのに。何か少し足りない、自分でもよく分かりませんが・・・残念です。本書は自己崩壊型のホラー四編とあとがきという名の短編を加えた作品集。色は違いますが、いずれも狂った思考が招く男女の破滅の物語であり、単なるホラーとは一線を画すものばかりです。

出来としてはどれが突出している訳でもなく、平均して楽しめる作品ばかりです。短いのが物足りなさの原因かもしれませんが、その割には異常な心理描写を淡々とした筆致で描いているのが逆に怖さを増幅させます。この人の書くものはハズレがありませんので安心して読めます。
本作に関しては言葉を慎重に選びながら、時折ハッとするような記述を見せ、上手いなあと感心させられます。特に女の子の描き方が何とも言えず良いんですよ。

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