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ミステリの祭典

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お電話かわりました名探偵です 復讐のジングル・ベル
「万里眼」君野いぶき

作家 佐藤青南
出版日2022年12月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 4点 ねここねこ男爵
(2024/02/28 12:36登録)
君野いぶきシリーズ3作目であり、終わり方からして多分最終巻?

1作目は魅力的な謎もありそこそこ楽しめたが、巻が進むごとに悪い意味でラノベ的な要素が多くなり、伏線も謎解きも雑になっていった。そこが残念。
特に本巻の最終エピソードはなんというか、最終回で強引にまとめた打ち切り漫画のように思えてしまった。ネタ切れか、作品自体に手応えがなかったのだろうか。
非常に読みやすくはあったので惜しい。

No.1 5点 人並由真
(2023/06/26 06:27登録)
(ネタバレなし)
 Z県警本部の通信指令室。要するに市民からの犯罪・事件の通報を受け、適宜な対応を行ない、必要な情報を適切な部署に回す役目の警察官。そんな役職のなかで「千里眼」ならぬ「万里眼」の異名をとる、一種の安楽椅子探偵・君野いぶきの事件簿。
 連作短編集形式のシリーズで、基本、各編はいぶきに憧れる年下の刑事、「僕」こと早乙女の視点から語られる(時たま、神様視点の三人称描写が混じる)。

 本書は5つの事件を収録。その5編をプロローグとエピローグがブックエンド風に挟む連作集。
 シリーズの一冊目かと思って手にしたら、一本目のエピソードを読んだ時点で、実はこれが三冊目だったと気づく。

 ……あらら。そういう勘違いした状況だったので当然、前二冊は未読。本書内のメインキャラの人間関係や配置はこれまでの二冊をしっかり踏まえたものらしいので、なんかハズした気分。いや、実際にハズしてるのだが(汗)。

 まあキャラクターもののミステリとしては、そこそこ楽しめました。
 第三話の自殺志願者の女の子のホワイダニットなど結構強引とかも思うけれど、まあ作中のリアルで登場人物がそう考えたんだろうね、と受け取れる程度のものでもある?
 サクサク読めるのは良かった(皮肉やイヤミでなく、素直な意味で)。

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