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ミステリの祭典

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仁木悦子自選傑作短篇集

作家 仁木悦子
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 バード
(2023/07/05 06:42登録)
粒ぞろいで明確なハズレの無い短編だが、特筆して唸らされる話も無かった。個人的には各話の誕生秘話の書かれた解説が楽屋裏を覗いているようで楽しかった。

<個別書評(ネタバレあり)>
・かあちゃんは犯人じゃない(6点)
子供視点だからかもしれないが、変に理屈っぽくなく読みやすい。

・罪なき者まず石をなげうて(5点)
メイン三人の掛け合いが心地よい。解説によるとレギュラー化を念頭に置いていたそうだが、そうはならなかったそうな。三人の他の話も見てみたい。

・金ぴかの鹿(5点)
犯人側の計画が大味すぎる。

・暗い日曜日(7点)
作者と同名のキャラが出ているだけあって力が入っているように感じた。伏線の張り方など王道を押えており、本短編集でマイベスト。

・ねむい季節(6点)
被害者のすり替えがあり、ミステリとして少し凝っている。現代視点で本話の未来感が少し物足りないのは、現実の発展が作家の発想を超えるほどに凄まじいという事だろう。

・明るい闇(5点)
特段深みのある話ではないが、主人公がかっこいい。

・山のふところに(5点)
それほど面白みを感じず。

・死の花の咲く家(5点)
案外多くの伏線が張られていて面白いが、惜しくも6点に届かず。

・悪魔の爪(5点)
催眠が出てきた時点で、強引な話になることは予想できた。ただ強引と書いたが、悪くは無い。

・石段の家(6点)
話の筋はおおよそ読めたが、読ませる書き方だった。解説によると作者は子供目線の話の乱用を避けているらしいが、作者の得意な手法なような気がしてならない。

・自作解説(7点)
作者さんに失礼かもしれないですが、実は解説が一番楽しかったり・・・。もし、クリエーターの方がいれば話を考える際の参考になる生々しいエピソードがてんこ盛り。

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