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ミステリの祭典

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ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女

作家 ダヴィド・ラーゲルクランツ
出版日2015年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 びーじぇー
(2023/06/14 21:38登録)
前作までのミカエルは、巨大企業の犯罪を告発する英雄的なジャーナリストだった。だが本作の最初の時点では、評判が地に落ちている。実業家の足を引っ張る左派ジャーナリストは、むしろ国家的な経済成長を阻害する敵を目されているのだ。
本作で彼らは、人工知能学者の殺人現場で目撃者となった幼い息子を保護する。息子は驚くべき数学的才能と、見たものを映像として記憶する能力の持ち主。その能力の解明と、殺し屋たちとの攻防が同時に展開される。
シリーズの本質は、完璧に受け継がれている。主人公たちは、殺し屋や不正を行う企業といった悪との戦いと同じくらいの情熱をもって幼児や女性への虐待、障害者への差別などと闘う。ちなみに、リスペットはバイセクシャルであるなど、性的マイノリティーへの配慮はシリーズを通したテーマだ。
このような意識の高さが本シリーズの特徴。ミカエルは、昨今ようやく知られるようになったポリアモリー、つまり複数の異性と包み隠さずに同時に性関係を持つライフスタイルの性的マイノリティーに属する。さすがにスウェーデンだと感じさせられる。

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