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ミステリの祭典

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リメンバー・ハウスの闇のなかで

作家 メアリ・H・クラーク
出版日1999年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 人並由真
(2023/06/09 07:44登録)
(ネタバレなし)
 幼い愛児ボビーを数年前に交通事故で亡くした、31歳の児童文学女流作家メンリー・ニコルズ。失意から一時期、心を病んだ彼女はその後、新たな娘ハナに恵まれ、弁護士の夫アダムと生活を立て直しかけていた。メンリーは療養と創作のために、アダムの故郷ケープ・コッドにある、18世紀からの伝承が残る屋敷リメンバー・ハウスを借りるが、そこではとある悲劇が、地元の話題になっていた。そしてメンリーは夫の留守中、ありえない怪音や今は亡きボビーの母を呼ぶ声を聴く。

 1994年のアメリカ作品。クラークの第12番目の長編。
 あいかわらずの凄まじいリーダビリティで、480ページの長丁場を3時間半で一気読みした。
 なお登場人物は端役を含めて名前があるキャラだけで80人前後に及ぶが、一方で、物語は大体3週間の日数のスパンの事件だと、冒頭からわかっているので、読み進めるうちに、いま大体、どのくらいまで実質的に話が進んでるのか見やりやすい。その意味でも、物語の消化感は頗るよい。

 大ネタはおおむね察しがつき、同時に誰が悪人なのかも推察できてしまうが、終盤まで部分的にホワイダニット系の謎は残り、その辺でのテンションはそれなりに。
 読んでる間は楽しめたけど、良くも悪くも勧善懲悪の陽性サスペンススリラーである。ただし、職人作家としてのクラークの技量は、あらためて実感した。ミステリとしての技巧性や、志の高さみたいな面では、あんまりホメられんけど。
 途中、話の底が見えるまではうまくいけば7~8点取れるかな、とも期待したが、評点はまあこんなもんでしょう。佳作、だとは思うけど。

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