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ミステリの祭典

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怪談人恋坂

作家 赤川次郎
出版日1995年10月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2023/06/02 15:39登録)
物語の舞台は、幾重にも折れ曲がった急坂の上にある家。不審な死に方をした姉が、実は自分の母親だったことを、姉の霊に告げられるヒロイン。忌まわしい出生の秘密。彼女が十六歳になった時、姉(母)の怨霊による凄惨な復讐劇の幕が開いた。
タイトルにも「怪談」と銘打たれているだけあって、本書は「四谷怪談」や「真景累ケ淵」の正系を継ぐ怨念どろどろの古典的日本怪談の定石を踏まえた作品となっている。ともかく全編にわたって、ひたすら暗く救いがない。ストーリーは暗い方へ悪い方へと転がり落ちていき、登場人物の大半が恐るべき運命に見舞われる。
プロットやキャラクターがステレオタイプなことも含め「日本のジョン・ソール」と呼ぶにふさわしい作品。

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