ジェイムズ・ジョイス殺人事件 |
---|
作家 | バーソロミュー・ギル |
---|---|
出版日 | 1994年12月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | ◇・・ | |
(2023/05/15 19:23登録) ダブリン随一のジョイス学者コイル教授が「ブルームの日」祝賀の催しのあとで殺された。捜査に乗り出すのはダブリン警察殺人課マッガー警部。事件の鍵は「ユリシーズ」にありとコイルの友人たちはほのめかすが、そんな本など読んだこともない警部は独自の捜査を続ける。 十八の挿話で構成される「ユリシーズ」に準じて十八章から成る本書は緻密な推理小説だが、それに加えてジョイス論ベケット論をまくしたてるダブリンに知識人たちの道化じみた言動はなんとも秀逸で、あの都市特有の奔放な知的風土が醸し出す軽妙・皮肉な笑いは痛快極まりない。 |