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ミステリの祭典

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去年を待ちながら

作家 フィリップ・K・ディック
出版日1989年04月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2023/05/09 12:46登録)
 謎のドラッグ、支配者とシミュラクラム、現実崩壊、と言ったディックの持ち味が全開。言葉を変えればネタの使い回しであるが、その分こなれて来たのか。“崩壊” 感覚はこのくらい判り易い方がいい。『パーマー・エルドリッチの三つの聖痕』では宇宙の孤独を感じたが、ここでは痴話喧嘩をどこまでも引っ張るので地上に縛り付けられたまま。あの妻にはイライラしたな。捨ててしまえ! 結末が弱いのはいつも通り。

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