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ミステリの祭典

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最後のページをめくるまで

作家 水生大海
出版日2022年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 ミステリーオタク
(2023/04/28 21:29登録)
 タイトルを見てから、それが短編集であることを知り、即買い。

《使い勝手のいい女》
 メインとなる「捻り」の一部だけは読めたが、よくできていると思う。また確かに最後の1ページで意外な展開を見せるが、これは驚愕度はさほど高くなかった。

《骨になったら》
 これもなかなか面白いストーリーで、途中の意外性もかなりのものだが、エンディングはミステリのオチとしてはさほど新鮮味があるものではない。

《わずかばかりの犠牲》
 3作目も読み物として十分面白い。これもメインのネタの一部だけ読めた。最後の数行はタイトルの皮肉がピリリと。

《監督不行き届き》
 突拍子もないオープニングから、頭がおかしいのか違うのか訳の分からない女に振り回される先の読めない展開が続くが真相はあまりピンと来ない。が、ラストの・・・

《復讐は神に任せよ》
 何とも悲愴と悲壮に満ちた話だが、こういろいろと重なるとチョッとね。


 この作者は作中で決して難しい言葉を使うわけではないが、会話や描写が表現不足で分かりにくいことがときどきある。始めのうちは、これは作者の未熟性によるものかとも思ったが読み進めるうちに、故意にか無意識にかは分からないがこれはかなり現代的な「スタイル」なんだなと感じられるようになってきた。

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