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ミステリの祭典

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延暦十三年のフランケンシュタイン

作家 山田正紀
出版日1988年08月
平均点9.00点
書評数1人

No.1 9点 虫暮部
(2023/04/27 13:27登録)
 SF設定が基盤にあるし、宗教者の物語だし、すわ最初期の〈神シリーズ〉の再来か? とも思ったが、事象より個を描いているあたり、もう少し後の時期のアクション系連作集の匂いの方が強い。そこに加えた一捻りがつまり、延暦年間と言う時代設定なのである。
 この設定が非常に有効で、ベタで大仰な展開も内心如夜叉の玉依の女性性も違和感無く読めた。滂沱の涙が三回とは自分でも驚き。現代物だったらそこまで素直に浸れなかったかも。

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