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ミステリの祭典

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埋もれた真実

作家 ジェイムズ・ガブリエル・バーマン
出版日1996年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 ◇・・
(2023/04/14 20:23登録)
超高級住宅地ホータケット・ベイの広大なカーヴァー邸で、一家四人の死体が発見された。最初は無理心中事件と思われたが、半年後、トニー・マクマーンという青年が殺人容疑で逮捕された。
確かに才能のきらめきが随所にみられるが、才気に走りすぎた感もあり、やや薄っぺらい印象。出口が見つからないトニーの心理の迷路と、弁護士バローロとのやり取りが、交互にカットバックされる構成は効果的。少年の切ない恋心が傷ついていく過程は細やかに描写されている。また、真実なんてものはない、あるのは物語だけだと豪語する弁護士バローロの存在も、シニカルな味割で面白い。だが、完成度の点ではいまだしの感がある。

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