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ミステリの祭典

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悪母

作家 春口裕子
出版日2016年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 HORNET
(2023/03/31 21:07登録)
 岸谷奈江と一人娘の真央は、入園を予定していた有名幼稚園へ見学に向かう。ところが、園長の元には一通の匿名メールが届いていた。奈江が属するママ友グループのいじめで家庭が崩壊したという告発だった。その後も、子どもたちの健やかな成長を呪うかのように、悪意に満ちた出来事が続く。追い詰められた奈江に待ち受けるのは救済か、破滅か。(「BOOK」データベースより)

 いわゆる「ママ友」のしがらみの中で、息苦しさや懊悩を抱えて生きる母親を描いた、昨今ちょくちょく見られるジャンル(?)。
 過去に、ママ友内で「いじめ」をしたとされている奈江を主人公とした連作短編の形で、一編一編を単作として読んでもなかなか面白い。第二話「毒の葉」、第四話「難転」あたりがミステリとしてもなかなかよかった。
 ラストは読者の見方が反転させられる仕掛けだが、こうした類に読み慣れている層もいるかと思われる。私もその一人だった。

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