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ミステリの祭典

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ピルグリム

作家 テリー・ヘイズ
出版日2014年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 びーじぇー
(2023/03/29 18:32登録)
アメリカ諜報機関の伝説のスパイが、サウジアラビア出身のテロリストを追求する話だが、9・11の直後に起きたマンハッタンでの凄惨な殺人事件、スパイの出自から諜報戦史、イスラムの迫害された家族の物語とテロリストとしての成長譚、さらに悪魔の計画まで盛り込み、ぐいぐいと引っ張っていく。
特に引き付けるのは、綿密な計画を立てるテロリストと肉薄していくスパイの追跡劇。国際政治を舞台にした壮大なスケールにもかかわらず実に精緻で、意外性に満ち溢れ、サスペンスたっぷりでワクワクする。
素晴らしいのは、約千二百ページにも及ぶ膨大な物語にもかかわらず、一切無駄がなくすべてが繋がり、全てがスパイの内的ドラマへと結実していくことだ。スパイ小説であり、サスペンス小説であり、家族小説であり、そして何より愛の小説であるのがいい。

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