home

ミステリの祭典

login
目には見えない何か

作家 パトリシア・ハイスミス
出版日2005年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ◇・・
(2023/03/25 19:04登録)
あらゆるミステリ作家の中でも心理分析に長けた一人である。作者は人間の心理と行為を可能な限り論理的な連関の中で描き出す。しかし、ぎりぎり最後の瞬間に論理による説明を放棄して、人間の心の底知れぬ不可解さへとジャンプする。その目くるめく飛躍が彼女の小説の醍醐味だ。
ミステリに限らぬ題材の幅広さと、この作者の人間理解を凝縮した形で楽しむことが出来る。冷徹な長編とは異なり、読者の心は温かさに包まれる。

1レコード表示中です 書評