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ミステリの祭典

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魔空の迷宮

作家 山田正紀
出版日1986年11月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2023/03/24 12:38登録)
 発表時点で作者は十年選手だが、本書は最初期の “神シリーズ” に回帰したような伝奇サスペンス。(いつものことだが)世渡り出来ない主人公。その周りに現れては消える人の連鎖。都市のもう一つの貌。
 面白い歴史ネタを絡めたが、説明だけで終わってしまった、裏側に潜り切れなかった、との感が強い。黒幕との対決がもっとじっくりあっても良かった。
 武藤に関しては、何故そこまで入れ込むのか、人物像の裏打ちが甘いのでは。途中で死ぬ奴ならそれでもいいけどさ……。

 C-NOVELS 版の表紙イラストはイメージと違うな。サイズが明記されているわけではないが、あんな肉感的な “男が悦ぶ女” 的なキャラクターは出て来ないでしょ。みんなもっと棒みたいな身体だと思う。主題に関わる重要な問題なので厳しく指摘しておきたい。その反省を踏まえてか、文庫版の表紙はそれなりに嵌まっている。 

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