異形の花嫁 |
---|
作家 | ブリジット・オベール |
---|---|
出版日 | 2003年05月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 空 | |
(2023/03/03 23:12登録) オベール第6作は、トランスセクシャルがテーマです。ただ、「あたし」こと主役のボー(ボードワン)は、同一性障害とか同性愛だけではなく、マゾでもあるところが、最初から居心地の悪さを感じさせます。「SMクラブでは、おまえが最高だとみんなに言われた。いちばん苦痛に強い、と。」(p.83) といった人物。彼(彼女)のジョニーに対する愛がまた、マゾヒズムゆえというだけでなく常軌を逸しているのです。ジョニーの方は、自分は女にしか興味がないと言ってボーを拒否するのですが。その一方で起こる娼婦連続殺人事件がまた、この作家らしいグロテスクさです。ボーが新たな殺人の死体に次々出くわす偶然は、映画的な感じがしました。 ボーが犯人に監禁されてというクライマックス部分で明らかにされる犯人の人物設定と生活については、いくらなんでも不自然ではないかと思ったのですが… 最後はもう一ひねりされています。 |