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ミステリの祭典

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キャピタルダンス

作家 井上尚登
出版日2002年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 びーじぇー
(2023/03/03 22:51登録)
画期的なサーチエンジンをビジネスチャンスに結びつけようとする林青が、担保主義の銀行によって資金調達を阻まれたり、検索システムが高性能すぎたことが維持管理費を増大させ、会社を危機に追い込むことになったりと、次々襲い来る危機を創意工夫で乗り越えていく過程は、冒険小説風な展開になっている。
この流れが次第に変わっていくのは、林青を陥れる計画が明らかになる第二部の中盤からである。陰謀の存在だけは分かるものの、犯人も方法も動機も不明なままストーリーが進んでいくのでフーダニット、ハウダニットの興味が顕在化していく。それだけに、経済小説に過ぎないと思われていた第一部に、周到かつ緻密な伏線が張り巡らされていたことがわかる謎解きの場面は圧巻である。経済問題を扱っているが、決して暗くはなく読後感も心地よい。

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