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ミステリの祭典

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逆まわりの世界

作家 フィリップ・K・ディック
出版日1983年08月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2023/02/24 14:45登録)
 まず、宗教絡みの三つ巴プラス恋の鞘当ての物語として良く出来ていて、そのまま普通のスパイ・スリラーとして成立しそう(過言?)。ところがそこに、“中途半端に逆まわり” の世界設定が背景として重なり、例えばオペラのバック・トラックを玩具のピアノに差し替えたようなミスマッチで失笑必至。ではあるのだが、読み進むうちに何故かそれらが上手く融合して、しんみりした余韻を残す感動作にも思えて来た。なかなかの魔法である。

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