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ミステリの祭典

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ゴスロリ幻想劇場
大槻ケンヂ短篇集

作家 大槻ケンヂ
出版日2005年12月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/02/15 22:35登録)
ロマンティックで残酷。せつなくて思わず号泣!!『ゴシック&ロリータバイブル』の人気連載が一冊に。怪奇、不条理、愛、狂気、恋、永遠の可愛い夢。書き下ろしの短篇5本を含む、全15篇を収録。
『BOOK』データベースより。

冒頭からゴスロリのグラビア写真が何枚か掲載され、どれも可愛く改めてゴスロリファッションの魅力を実感しました。其処には当然モデルの質の高さがあっての事ではありますが。その勢いでロリの世界に引き込んでくれるのかと期待しましたが、実際それ程ではありませんでした。各掌編が主人公を含め、多くがゴシックロリータ様式の洋装をしており、しかしながら全く違和感がありません。まあ出来不出来の差は大きいと言えるでしょう。中身はオカルト、ファンタジー、メルヘン、探偵、殺人、可憐、儚さ等々で構成されており、まさに分類不能の短編集です。

十五篇収録されていますが、ほとんどがすぐに忘れてしまいそうであまり印象に残りませんでした。逆に言えば再読に耐え得る作品集、忘れた頃にまた読んで気分を新たに出来るものだと思います。
心に残ったのは『ゴンスケ綿状生命体』『戦国バレンタインデー』『月光の道化師』『奥多摩学園心霊事件』『爆殺少女人形舞壱号』。特にミステリ要素の最も強い『奥多摩』は短い中にぎっしりオカルティック・ミステリが詰め込まれていて最もお気に入りの一編となりました。

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