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ミステリの祭典

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呪い人形
木部美智子シリーズ

作家 望月諒子
出版日2004年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2023/02/09 12:38登録)
 社会派サスペンス。罪と罰、正義と悪について、登場人物達それぞれの視点で重層的に語られる群像劇。どの意見にも相応の説得力が感じられ読み応えがある。取材が殺人を引き起こしてしまう観察者効果(?)は怖いね。
 しかし、これだけ書いておいて肝心のホワイが不明なままなのは、ホラー的な後味を醸し出してはいるが、はぐらかされたような思いをやはり拭えない。あと、“六千万円” とは妙に半端な金額に思えるがどういう基準?

 木部美智子シリーズの一冊で世界設定は前2作と共通。と言うことは、超自然現象的な本物の “呪殺” はあり得ない、と読者は最初から諒解せざるを得ないわけで、ノン・シリーズとして書いた方が良かったのでは(本物を期待する本書の読者なんていないか?)。

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