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ミステリの祭典

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悪夢の向こう側

作家 スティーヴン・スプライル
出版日1994年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 ◇・・
(2023/01/29 20:04登録)
ハドソン総合病院の救急医療部の部長であり、二児の母であるエイミー・セントクレアがある日担当した心臓発作の患者が突然死んだ。患者の危険率は低く、処置も万全のはずだった。死ぬはずのない彼が死ぬのはおかしいように思えた。そして遺体を引き取りに来た、死んだ患者の娘は意外にも彼女の高校時代の後輩のシンシア・ヴァンクリークであった。
医学スリラーとしてはロビン・クックが有名だが、スプライルは彼になぞらえて、九〇年代のロビン・クックともいわれている。本作は医学ミステリ+サイコ・スリラー+ホラーといった感じを漂わせている作品で、キャラクターの造形が素晴らしい。本書の魅力は言うまでもなく、舞台描写の確かさや、不可解な出来事が次第に中心に向かって一つに収束していくストーリーテリングのうまさに支えられている。

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