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ミステリの祭典

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蜘蛛の巣のなかへ

作家 トマス・H・クック
出版日2005年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 レッドキング
(2023/01/24 22:43登録)
愛せなかった故郷を離れ、遠い地で暮らす齢四十前の孤独な教師。余命僅かな父親を看取るために一時的に帰郷した貧しい山間の故郷。誰からも愛されず誰も愛せず己自身も愛せない生涯を送った父親と、その男から愛されることのなかった母親と二人の息子。二十年を経た再会の後も互いに嫌悪憎悪しか抱くことのない老父と息子。二十年前に己に別離を告げた少女。帰郷後、偶然に疑問を抱く様になる二十年前に弟の起こした殺人事件を再調査するうちに、父親の固執と弟の事件と少女との別離が、別の絵画へと目まぐるしく変容収束し、暗く苦く辛い物語に、最後の最後に至って救いの光が差し込む。

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