home

ミステリの祭典

login
癒されぬ傷

作家 リー・グルーエンフェルド
出版日1994年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ʖˋ ၊၂ ਡ
(2023/01/19 16:06登録)
いわゆるサイコ・サスペンスだが、ある意味では真犯人の完全犯罪が崩壊する過程を描いた物語だともいえる。犯人の企みは、クリスティーの棒作品を思わせる古典的なものだが、新しい形にアレンジされているのは興味深く、それが犯人の立場と密接に関連していることもミステリとして評価できる。
サイコという言葉からは「異常」というイメージばかりが先行しがちだが、本書は極めて知性的な意図によって進行する物語である。異常者の心理や行動に興味のある人ばかりでなく、知性的に犯人を指摘したいという要求にも応えることのできる作品といえるだろう

1レコード表示中です 書評