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ミステリの祭典

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ロボット文明

作家 ロバート・シェクリイ
出版日1965年02月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 虫暮部
(2023/01/19 15:04登録)
 “悪を規範にした階級社会” と言うのは、やはり構造的に矛盾を孕んでいるのであって、本書の舞台も “悪党ごっこ” みたいな雰囲気で、但し殺人がシレッと許されているだけ。それを真面目に(見える書き方で)書いている可笑しみが効果的ではある。
 後半、失われた記憶の問題に矛先が向くとちょっとサスペンス風味が加わって、事の真相に私は結構驚いた。後年スパイ・スリラーを書いた萌芽が此処に?
 アイデアを幾つも連発している一方、物語の芯が良く言えば臨機応変、悪く言えばフラフラと頼りない。

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