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ミステリの祭典

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Légitime défense: Quai des Orfèvres

作家 S=A・ステーマン
出版日2015年11月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/01/16 22:45登録)
1942年に発表されたノン・シリーズの未訳作品です。
"Légitime défense" は「正当防衛」の意味で、全20章中の第3章終りにこの言葉が出てきます。その時はそんなわけないと思ったのですが、読み終えてみると、納得できました。サブタイトルの方は「オルフェーブル河岸」、本作は1947年に『悪魔のような女』等のクルーゾー監督によって映画化され、その原題がこの司法警察がある河岸なのです。映画邦題は『犯罪河岸』とされていました。映画は未見ですが、粗筋を読む限り、登場人物設定や展開等ずいぶん変更されています。
映画はともかくこの原作は、三人称形式ではあるものの基本的に事件関係者の一人、嫉妬深い画家ノエル・マルタンの視点から描かれた心理サスペンスになっていて、巨体の警視は時たま姿を見せますが、司法警察の場面はありません。
この作者なら最後にもう一ひねりあるかと期待していたら、あっさり終わってしまいました。

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